インターネットの通信速度を徹底解説!目安や遅い場合の対策は?
インターネットを利用しているとき、Webサイトの閲覧で画面が切り替わらなかったり、動画の視聴で画面が止まってしまったり、ストレスを感じる場面は意外と多いでしょう。
インターネットの通信速度に問題があるのかもしれません。インターネット環境を快適に整えるためにも、通信速度について理解を深めてみましょう。
今回はインターネットの通信速度の概要をはじめ、単位や目安、遅くなる理由などを解説していきます。通信速度の測定方法も紹介しているので、必要に応じて活用してみてくださいね。
そもそもインターネットの通信速度とは?
高いインターネット料金を支払っているのに、期待したほど速度が出ていないと不満を感じている方もいるでしょう。
インターネット通信速度は、車の渋滞のように目に見える存在ではありません。インターネット通信の性質がわからないことが不満につながっている可能性があります。
インターネットの通信速度について理解を深めてみると、疑問が解消するかもしれません。早速、インターネットの通信速度について意味や特徴、基本単位、動向などを解説していきます。
インターネットの通信速度があらわす意味
インターネットの通信速度とは、1秒間あたりに送受信できるデータ量を示します。つまり、どれだけ速くデータを送受信できるかを示す指標です。
インターネットを利用する端末は、常にデータを送受信しているわけではありません。全員が同時に利用しないことから、複数の利用者の回線を束ねることで、コストを抑えて通信サービスが提供されています。
そのため、パケット通信では1本の回線を多数の端末で共有しており、1,000人以上で共用されているケースも多いといわれています。
つまり、たくさんの人が同じタイミングで回線を使うと、混雑して速度が低下するということです。必ずしも通信速度が一定ではないということも意味します。
インターネットの通信速度の特徴
インターネットの通信速度は時間帯によって異なる特徴があります。
ご利用の集中する時間帯(夜間など)は、サービス安定提供にともなう速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。
引用:SoftBank Air 住所別下り最大通信速度情報(ソフトバンク)
たとえば、あまり人が使っていない早朝の時間帯は通信速度が速くなる一方で、使う人が多い夜間の時間帯は通信速度が低下してしまいます。そのほか、利用者が多い地域だと、同じ設備でも速度が違ってくるようです。
インターネットの通信速度を示す単位
一般的に速さの単位といえば、m/s(メートル毎秒)などが思い浮かぶかもしれません。1秒で何メートルを進むかを示す単位です。しかし、インターネットの通信速度は全く別の単位が用いられます。
通信速度の基本単位はbps(ビーピーエス)
インターネットの通信速度はbps(ビーピーエス)という単位であらわされ、bit per secondの略です。1bpsは1秒間に転送できるデータ量(情報量)を意味しており、たとえば5bpsであれば1秒間に5ビットのデータ量を転送できます。
bpsの単位で示すデータ量が膨大になってしまうと、必然的に数値の桁数が増えてしまいます。桁数が増えると一目で正確な数値を把握するのが難しくなるため、シンプルな表現にする必要があります。
そのため、データ量が大きい場合に対応できるように、Gbps(ギガビーピーエス)やMbps(メガビーピーエス)、Kbps(キロビーピーエス)などの単位もあります。
たとえば、10億bpsだと膨大な桁数になりますよね。10億倍を意味するG(ギガ)を使うことで1Gbpsというシンプルな表現に変えられます。
ちなみに、1,000bps=1Kbpsであり、1,000Kbps=1Mbps、1,000Mbps=1Gbpsです。通信速度の大きさを比べると、1Gbps>1Mbps>1Kbps>bpsです。
そもそもbit(ビット)とは
1bpsの中に含まれるbitの意味について気になった方もいるでしょう。
私たちは、コンピューターが処理している情報を視覚的に見ることができません。コンピューターが処理している情報量を視覚化するための単位がbit(ビット)です。
ビットは情報量の最小単位です。コンピューター上では0と1のどちらかを示す一桁として表示されます。
1ビットのデータは、コインの表・裏、電源のオン・オフなどのように、2つの状態のどちらかであることを示すことが可能です。
ビットの桁数が増えていくと、より多く複雑な選択肢を識別できるようになります。
インターネットの通信速度には「上り」と「下り」がある
インターネットに関するサービスを利用するうえで、「上り」や「下り」という言葉を見かけたことがある方もいるかもしれません。
インターネットの通信速度は川の流れのように例えられることから、上りや下りという言葉が使われています。
上りはパソコンや携帯電話などからインターネットにデータを転送するときの通信です。たとえば、上りの速度が速いとメールの送信にかかる時間が短縮されます。
その一方で下りは、インターネットからデータをパソコンや携帯電話で受信するときの通信です。下りの速度が速いとWebサイトの閲覧やソフトウェアのダウンロードにかかる時間が短縮されます。
動画といったコンテンツが利用者に届く流れは下りのトラヒックといわれており、上りのトラヒックよりも多い傾向です。上流から下流に向かうにつれて、川が太くなっていく様子をイメージすると、理解しやすいでしょう。
インターネットの通信速度の動向
インターネットの通信速度は時代にともない変化してきています。最近では5Gという新世代の移動通信システムも普及し始め、通信速度のさらなる改善が期待されている現状です。
5Gを含めて、5G以前の移動通信システムにおける通信速度を表にまとめてみます。
世代 | 年代 | 最大通信速度 |
---|---|---|
第2世代(PDC) | 1993年 | 9,600bps |
第3世代(W-CDMA) | 2001年 | 64~384Kbps |
第3.5世代(W-CDMA HSPA) | 2006年 | 3.6~14Mbps |
第3.9世代(LTE) | 2010年 | 37.5~150Mbps |
第4世代(LTE-Advanced) | 2015年 | 110Mbps~約1Gbps |
第5世代 | 2020年 | 10Gbps |
昔は通信速度の単位がbpsでしたが、時が経つにつれてKbpsやMbpsに変わり、近年はGbpsになっています。大幅に通信速度が向上していることがわかるでしょう。今後における通信速度の目安としても理解しておきたいところです。
インターネットの通信速度と似ている紛らわしい用語
インターネットの通信速度と似ている紛らわしい用語がいくつかあります。混乱してしまう原因になりかねないので、区別しておきましょう。
紛らわしい用語1.回線速度
インターネットの利用において通信速度だけでなく回線速度という言葉も見かけますよね。回線速度も1秒間に送信できるデータ量を意味しますが、厳密には通信速度と区別されています。
回線速度は、回線が持つ通信能力のキャパシティです。回線速度というよりも、回線能力といえばわかりやすいでしょう。
水道にたとえると水道管の太さが回線速度で、水道管に流れる水のスピードが通信速度だといえます。つまり、通信速度は回線速度以上の速度を発揮できません。
定められた回線速度の中で理想の通信速度を発揮するには、性能のよい端末を選んだり、ネットワーク環境を整えたりする必要があるでしょう。
紛らわしい用語2.ping値
インターネットを快適に利用するための指標は通信速度だけではありません。Ping値という指標もあります。
Ping値とは、操作に対する遅延時間を示す値です。単位はms(ミリ秒)としてあらわされます。
数値が小さいほどタイムラグが少なくなり、通信環境が良好であることを示します。インターネットに接続したときユーザーが体感する速度を数値化した値だといっても過言ではないでしょう。
仮に通信速度が大きくて1秒間にたくさんのデータを送信できるとしても、Ping値が大きいと結果としてインターネットを快適に利用できません。
Ping値の範囲ごとに通信状態の目安をまとめると下記の通りです。
Ping値の範囲 | 通信の状態 |
---|---|
101ms~ | 遅い |
61~100ms | やや遅い |
41~60ms | 普通 |
0~40ms | 速い |
SNSの利用や動画の視聴などであれば40~60ms程度で問題ないといわれていますが、高速回線が求められるネットゲームであれば50ms以下が必須と考えられています。
インターネットで求められる通信速度の目安
通信サービスの利用を検討するとき、通信速度の表記を確認できても、結局快適に使えるの?と思った経験はありませんか。
インターネットで求められる速度の目安を知っておくと、サービスの利用を検討しやすくなります。メールやWebサイト、動画、オンラインゲームに関する目安を確認してみましょう。
インターネット速度の目安1.メールやWebサイトの利用
メールやSNSのメッセージを受信するのには128Kbps~1Mbps程度が目安です。128Kbpsは通信制限による通信速度を想定しています。
通信制限が発生しても、メールやSNSはテキスト中心であれば、送受信が不可能ではありません。低速でも通信速度によっては、写真や動画をスムーズに送れる可能性もあります。
Webサイトの閲覧に関しては、簡易的なページであれば1Mbps程度で問題ありませんが、画像が多いサイトであれば10Mbps程度あると望ましいでしょう。
インターネット速度の目安2.動画視聴
動画視聴サービスとして知られるNetflixは、映画やドラマを再生するときに推奨されるインターネットの接続速度を公表しています。
推奨されるインターネット速度は下記の通りです。
接続内容 | 推奨通信速度 |
---|---|
ブロードバンド接続 | 1.5Mbps (最低:0.5Mbps) |
標準画質(SD) | 3Mbps |
高画質(HD) | 5Mbps |
4K/UHD 4K(UHD) | 25Mbps |
動画視聴では、画質のクオリティーが高まるほど、推奨される通信速度も増えています。高画質で動画を楽しみたい方は、通常よりも通信速度の高いインターネット環境を整える必要がありそうです。
インターネット速度の目安3.オンラインゲーム
オンラインゲームを快適にプレイするためには、10Mbps以上の通信速度が目安といわれています。
ただ、通信速度は時間帯や地域によって変動することもふまえると、30Mbpsほどの通信速度があるとさらに安心でしょう。
オンラインゲームをプレイするときに注意したいのが速度制限です。速度制限にかかると大幅に通信速度が落ちてしまうので、ラグや通信の切断が起きやすくなります。
オンラインゲームをプレイするときは、利用している通信サービスの速度制限による通信速度まで確認しておくとよいでしょう。
インターネットの通信速度をテストする方法
自分がインターネットを利用しているときの通信速度を知りたくなった方もいるでしょう。
さまざまなサービスによって、インターネットの通信速度を測定する方法が提供されています。代表的な通信速度テストサービスをご紹介するので、ぜひ活用を検討してみてください。
インターネットの速度を確認する方法1.Googleのスピードテスト
インターネットの通信速度をテストする方法としてGoogleのスピードテストが挙げられます。
ブラウザアプリを起動してGoogleを開きます。ブラウザ画面で「スピードテスト」と入力して検索しましょう。
するとインターネット速度テストという項目が表示されます。「速度テストを実行」をクリックしましょう。
その後、回線速度がダウンロードとアップロードに分けて表示されます。インターネット速度に関して、状態について記されたコメントも確認することも可能です。
ただし、リサーチ促進のためにIPアドレスとテスト結果が公開されるとのことです。注意事項を確認したうえでテストを受けるようにしてください。
インターネットの速度を確認する方法2.Netflixのスピードテスト
Netflixでは、モバイルデバイスかコンピューターを利用している場合、専用サイトから接続速度をテストできるサービスを提供しています。
接続速度のテストはとてもシンプルです。Netflixで公表されている専用サイトのURLをクリックするだけで接続速度の診断が開始されます。
診断が開始されると画面いっぱいに通信速度が表示され、計測されている状態が確認できます。最終的にインターネット速度の測定結果が表示されます。
「詳細を表示」をクリックすると、レイテンシ(通信の遅延時間)やアップロードに関する情報まで確認できる仕組みです。
更新マークをクリックすると再測定が行われます。余計な広告表示もなく、シンプルなデザインなので、直感的に利用しやすいテストサイトだといえるでしょう。
参考:接続速度確認サービス(Netflix)
インターネットの速度を確認する方法3.Windowsのタスクマネージャー
Windowsのタスクマネージャーを起動してインターネットの通信速度を確認する方法もあります。
スタート(Windowsのアイコン)を右クリックして、「タスクマネージャー」をクリックします。
引き続き上部にある「パフォーマンス」のタブをクリックしましょう。
その後、有線LANの場合は「イーサネット」、無線LANの場合は「Wi-Fi」の項目をクリックすることで、送信と受信の通信速度をグラフの推移で確認できます。
シンプルな手順で通信速度が表示されるので、Windowsを活用している方は気軽に確認してみてはいかがでしょう。
インターネットの通信速度が遅い原因
インターネットの通信速度は、さまざまな要因によって低下してしまうことが知られています。適切に対処できるよう、各要因について理解を深めておきましょう。
原因1.ボトルネック
通信速度を低下させる要因として知っておきたいのがボトルネックという箇所です。ボトルネックとは、ビジネスシーンでも使われる言葉であり、全体の作業工程のうち処理能力が最も低い部分をさします。
インターネット環境においてボトルネックになりえる箇所がいくつかあります。たとえば、端末機器です。古いパソコンやスマートフォンだと通信速度が下がる可能性があります。
また、家庭内のWi-FiルーターやLAN回線もボトルネックになりえます。
古い規格のWi-Fiルーターだと通信速度が下がる可能性があるほか、利用者が多いと無線の干渉によって通信速度が下がる可能性も高いです。同様に古いLANケーブルだと通信速度が下がる可能性があります。
原因2.大量のデータ通信や複数のウイルス
インターネットの速度が遅くなるときは、大量のデータ通信が発生している可能性があります。
たとえば、巨大なゲームのアップデートファイルが配信されていたり、OSのアップデートが配信されていたりする場合がよい例でしょう。
そのほか、インターネットのパフォーマンスを低下させる原因として、コンピューターウイルスも挙げられます。具体的には、スパイウェア(個人情報収集ソフト)がブラウザを妨害し、インターネット接続を独占し、システムの速度を低下させるケースが存在しています。
複数のスパイウェアプログラムが同時に実行されると、さらに問題が悪化する可能性が高いです。最悪の場合、完全に接続できなくなります。
原因3.外部環境のトラブル
自分のインターネット環境に問題がなくても、通信相手にトラブルが生じている可能性もあります。
具体的にはWebサイトにアクセスが集中してしまったとき、通信速度が下がってしまうことも想定されます。
そのほか、プロバイダーの障害や工事が原因の可能性もあります。利用しているプロバイダーに問い合わせてみることも時には必要です。
インターネット速度が遅いときの改善方法
インターネット速度が遅くなると、趣味や仕事でネットを使うときに困ってしまいますよね。
インターネット環境を見直すと、通信速度が改善する可能性があります。インターネット速度が遅いときの改善方法を解説するので、いざというときに試してみてください。
改善方法1.有線の規格を見直す
インターネットの通信速度が遅いと感じたときは、有線の規格をチェックしましょう。
有線LANの場合、LANケーブルによって最大通信速度が違います。ケーブルによって最大通信速度が10Mbpsや100Mbpsのように定まっています。利用環境に適したLANケーブルを導入するようにしましょう。
同様にパソコン側のLANポートもチェックします。LANポートには複数の規格があり、それぞれ通信速度が異なります。
1000BASE-Tは1Gbps、1000BASE-TXは100Mbps、10BASE-Tは10Mbpsです。大量のデータをやり取りする場合、最も通信速度が高い1000BASE-Tを検討するとよいでしょう。
改善方法2.Wi-Fiの設定や接続台数を変える
Wi-Fiを利用している場合、Wi-Fiルーターの設定を変更してみましょう。
Wi-Fiには2種類の電波があり、5GHzと2.4GHzの両方に対応している場合、2.4GHzから5GHzに切り替えると通信速度が速くなる可能性があります。
また、Wi-Fiは接続台数が多いと通信速度が下がってしまいがちです。必要のない機器は接続を解除するようにしてみてください。
改善方法3.Wi-Fiルーターの再起動やLANケーブルの再接続
通信速度が遅くなってしまう原因として、機器の接続不良も挙げられます。
そのため、各デバイスの再起動によって通信速度が改善することも珍しくはありません。Wi-Fiルーターやモデル、端末などを再起動してみましょう。
あれこれ試しても通信速度が改善しないとき、再起動でいとも簡単に改善することがあるので、困ったときはひとまず試してみることをおすすめします。
有線の場合も、LANケーブルの抜き差しで速度が改善する場合もあるので、再接続を行ってみるとよいでしょう。
改善方法4.セキュリティ対策ソフトの導入と再設定
スパイウェアもインターネットの通信速度を下げる原因でした。
セキュリティソフトの中にはスパイウェアを含む不審なソフトを検知・削除してくれるサービスがあります。無料体験版のセキュリティソフトも提供されているので、気になる方はインストールしてチェックしてみるとよいかもしれません。
セキュリティソフトを導入するときは設定にも注意が必要です。不正プログラムの侵入を防ぐためのフィルター機能の影響によって、通信速度が下がる可能性もあります。
むやみに設定を変更してしまった場合、ソフトメーカーの指示にしたがったうえで、再設定を検討しましょう。
インターネットの速度が快適になるように環境を見直そう!
以上、インターネットの通信速度について、意味や単位、目安のスピードなどを解説しました。
通信速度が遅くなる原因もわかり、これから改善に向けて試すべき方法が浮かんできたのではないでしょうか。
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